ねこ×きのこ!不思議な組み合わせがクセになる-ジュエリーブランドm.m.mデザイナー真柳茉莉華さん
お久しぶりの「29cutecat」の日です!
毎月29日は猫好きクリエイターさんへのインタビュー記事を掲載する予定が、前回から1年経ってしまいました…。
満を持して今回取材させていただいたお相手は、ねこときのこのモチーフを印象たっぷりにジュエリーデザインに変換させるブランド「m.m.m(エムエムエム)」のデザイナー、真柳茉莉華(まやなぎまりか)さん。
旦那さんと友人とシェアされている穏やかな空間が魅力のアトリエに伺ってきました!
もともとねこときのこは好きで、ねこはずっと飼ってたり、きのこグッズも集めていたりしたので。
自然に作ろうかなってなりました。
‐きのこグッズってあんまり売ってなくないですか?
それが意外ときのこフィギュアとかあるんですよ。
でも、スーパーマリオの1UPキノコみたいな毒キノコっぽいものはあっても、リアルなものでかわいいのがあまりなくて、欲しいなっていうところから「作ろうかな」ってなりました。
‐なるほど、真柳さんのジュエリーは不思議なテイストでかわいいですよね。
そうですね、全体的に不思議な感じで作っています。
なので、私が作っているものは、基本的にもともと自分が好きなものをただただ作っているという感じです(笑)。
(m.m.m公式Instagramより引用)
‐なるほど、でもそれが一番いいですよね。
作っていて一番自分の気持ちものせられるというか…。
ねこは今も飼っているんですか?
ねこは今2匹飼っています。
‐いいですね!私も多頭飼いに憧れてます。
なんて名前ですか?
ゆげちゃんとミミちゃんです。
‐ゆげちゃん?
なんか小さいころに眉毛がきりっと生えていているように見えて、「まゆげ」の「ゆげ」と、耳が大きい「ミミ」ちゃんです。
簡単な名前です(笑)。
‐いいですね、個人的にはキラキラネームより親近感あってすきです。
女の子ですか?
そうですね、呼びやすいかなっていうのでつけました。
どっちも女の子ですね。
‐私も女の子の多頭飼いに憧れます!
やっぱり1匹より2匹の方がそれぞれの性格の違いとかも見えるし、あとは猫団子がすきで…。
とはいえ、1匹も飼ってないんですけど(笑)。
あ、そうなんですね!
それは…なんでですか?
‐家を空けることを考えると心配になってしまって…。
最近はアプリで家の様子見れるのがあったり、ねこなら大丈夫だよって言ってくれる猫飼いさんも周りに結構いるんですけど、飼うなら子猫の内から飼いたいなーと思うとなかなか…。
あー、子猫はミルクも頻繁にあげなきゃいけないし3か月くらいは一緒にいてあげないといけないですからねー…。
‐そうなんですよね、そうなると育休とるしかないなって思うとなかなか踏み出せずにいる状態ですね。
でも子猫かわいいんですよね。
折角飼うなら子猫の内から飼うのおすすめです。
なんか近くでねこが生まれたとかっていうのがあれば飼いそうですね。
ゆげちゃん、ミミちゃんは何猫ですか?
ずっともらい猫なので雑種ですね。
黒2匹なんです。
‐ねこは同じ色、柄でも顔とか全然違いますよね。
そうですね、ゆげがでぶでミミがヤセなんですよ(笑)。
(m.m.m公式Instagramより引用
2匹並ぶとたしかに体型の違いがよくわかります(笑)。
‐同じものを食べていてもですか?
そうなんですよ。
ゆげの方が食に貪欲で、今、自動給餌器使ってるんですけど、がんばって奥の方に手をつっこむと数粒出てくるんですよ。
それをゆげはやるんですけど、ミミはやらない。
そういう積み重ねで体型に違いが…(笑)。
顔もゆげはやっぱりぽちゃ顔で、ミミはシュッとしたキツネ系の顔なので、全然違いますね。
‐そういう違いを楽しめるのも多頭飼いならではですよね。
(多頭飼いだとこんな遊びも2倍楽しめそう)
最初は白黒で飼いたくて、ゆげを先に飼ってたので次は白が欲しいなーと思ってたんですけど、たまたま周りで子猫の里親募集していたのが黒猫だったんです。
‐縁ですね。
でも白黒いいですよね。
それこそ私も憧れてます、オセロみたいで。
白黒かわいいんですけど、でも服が大変ですよ。
白猫はやっぱり黒い服着てると毛が目立っちゃうし、黒猫は白い服のときに目立っちゃうし、今うちは黒猫2匹だからとりあえず黒着ておけば目立たないですけど、白黒だとそういうとき大変そうです。
あとはトラちゃんとか混ざっているのも大変ですね。
コロコロ地獄ですよ。
‐たしかに(笑)。
白黒かわいいと思ってたけど、たしかにそうですね。
そうなんですよ、かわいいと思ってたんですけど、黒2匹飼ってみて改めて楽だなと思いました。
妹が白黒ぶちを飼ってるんですよ。
それがまたかわいくて!
だから白黒がいいなーと思ってたんですけど、当時(一緒に暮らしていたころ)出かけるときにコロコロ4枚くらい‐4コロコロくらい‐やってたんですよ。
今はコロコロ使わないですもん。
‐4コロコロ…なるほど…(笑)、勉強になります。
今2匹はおいくつくらいなんですか?
今8歳と6歳ですね。
‐結構大人ですね!
8歳だと人間でいうと…
50くらいですかね。
最近白髪とか出てきましたよ。
‐ねこも白髪になるんですね?
ちょっと寂しくなりますね。
黒猫だから余計目立つんですよね。
ますます大事にしようと思いますね。
‐生まれたときから飼ってたら8年の重みってなかなか大きいですよね。
(年齢を感じさせないエイジレスビューティーな寝顔)
うちね、実家のときからずーっと飼ってるんですよ。
もういないときほぼないくらいで。
子どものころからいろんな子がずっといましたね。
‐じゃあ色とか柄とかもいろんな毛の子が?
そうですね、でもトラはあんまりいなかったですね。
今、母が3匹飼ってるんですけど、そこにいるくらいです。
‐お母さんもねこ好きなんですね。
そうなんです、うち今母と父が犬2匹、ねこ3匹、私ねこ2匹、妹もねこ2匹飼ってて、人間の方が少ないんですよ(笑)。
‐いいなー、そういう家に生まれたかったです。
じゃあもうアクセサリーに使われている、あのねこのシルエットとかは慣れ親しんだフォルムという感じなんですかね?
そうですね、うちのねこがよくやるポーズだったりを基本的には作っているので。
‐え、じゃあ玉乗りとかするんですか?
玉乗りはしないんですけど、なんか変なところに立ったりするんですよね。
ソファの淵とか、人の足の変なところとか(笑)。
それで「玉乗りねこかわいいかも」と思って作ったんです。
‐あちらはまた、パールってところが大人も使いやすくていいですよね。
そうなんですよ。
きのこもそうなんですけど、ねこのアクセサリーでなかなか大人が使いやすいデザインのものって少なくて。
学生のときならどんなのでもいいんですけど、さすがに仕事もしていてチープなものつけるのもなぁ、と思って…。
シルエットモチーフにしているのもそういうところからなんです。
立体にするとかわいくなりすぎてしまうというか。
‐なるほど、すごくわかります。
見る分にはいいけどつけるのはちょっと…っていうアクセサリー、ねこモチーフだと結構あるんですよね。
私もそれで、真柳さんのアクセサリーよく見てたんです。
ありがとうございます。
実際購入してくださる方も、若い方もいるんですけど大人の…60代とかの方もいて、「ねこすきで飼ってるんです」っていうお声も聞いたりします。
それで、どうせならパールもちゃんと天然のこだわったものを使用して、その分お値段も上がっちゃうんですけど、でもいっそ大人向けにいいものを使った方がいいかなって思ってます。
「ねこのことはそこまですきじゃないけど、パールが綺麗だから買おうかな」って言ってくださる方もいますね。
あと「本当は犬派でねこ全然すきじゃないんだけど、デザインかわいいから」って言って買ってくださる方もいたりします。
‐へー!それはもう完全にデザインとして見ているということですね。
2011年くらいからやってますね。
‐制作開始してすぐにブランドを立ち上げたんですか?
そうですね、1年だけジュエリーの学校にいたんですけど、ブランドを立ち上げるために勉強しようと思って入ったので。
‐モチーフも最初からねこときのこって決めてたんですか?
それは学校行ってるときに思いついたんですけど、作っている過程で「こういうものがいいかな」と決めていった感じですね。
シンプルで、でもちょっと変わってて、みたいな感じのものが自分でもすきなので。
‐なるほど、ギフトにもいいですよね。
ちなみにこの「m.m.m」というブランドネームの由来ってなんですか?
最初はお名前かなって思ったんですけど…。
あ、名前です(笑)。
「真柳茉莉華メイド」とか。
「マッシュルーム」とかもたまに言いますけど(笑)。
あとは単純に小文字の「m」がすきで、3つあったらかわいいかなと思ったっていうのもあります。
でもよく「なんて読むのか」っていうのは聞かれますね。
「ムムム」なのか「エムエムエム」で合っているのか、っていう。
‐勝手に「エムエムエム」だと思ってました。
合ってます(笑)。
‐私もイニシャル「m」なので、しかも昔はなんか歯みたいに見えて女の子っぽくない気がしてすきじゃなかったので、褒められるとなんか嬉しいですね(笑)。
「歯」、たしかに思ったことないけど「出っ歯」っぽく見えますね(笑)。
mいいですよ、m推しです。
(いろいろと見せていただいたパーツを撮影用にカメラマンにそーっと渡していると…)あ、大丈夫ですよ、結構丈夫なので。
‐いや、でもこの耳の部分とかすごい繊細なので。
たしかに、私も初期のころは欠けさせたこともありましたね。
特に今子猫を作ってるんですけど、子猫ってなると結構細かいですね。
そうなんですよ。
ちょっと耳大きめで、しっぽもご機嫌な感じで。
でもこのしっぽが、制作中はほんとに細かいので気をつけないとって感じですね。
そうですね、基本的にはいつも自分で作ったものをつけてます。
最近は人様の作られたアクセサリーをつけられないというのが悩みですね。
つけていて、「それいいわね、あなたの作ったもの?」って言われると「あ、違います」ってちょっと気まずくなっちゃうので…。
‐なるほど…。
(普段つけているジュエリーを見せていただきながら)でもきのこもかわいいですね。
リアルだけどデザインに溶けこんでいるというか。
そうですね、リアルすぎると気持ち悪くなっちゃうので、気をつけてます。
仕事中は盛るようにしてるんです。
エノキ(リング)も2つ重ねたりして。
‐指からエノキが二つ生えてると思うと面白いですね(笑)。
言われないとエノキってわかんないですけど。
そうなんですよ。
結構きのこってわからずに購入される方もいますね。
これとかもタマゴタケっていう種類のきのこなんですけど、結構忠実なんですけど、あんまりきのこっぽくなかったりするので。
そうなんですよ、かわいいんです。
しかもこれ、食べてもおいしいんですよ。
‐そう聞いても、この見た目はちょっと食べるのに躊躇しちゃうなぁ(笑)。
このたまごの殻みたいなのはなんですか?
これ、最初は袋みたいになってて、最終的には下の方にいって…。
‐へー、きのこっておもしろいなぁ。‐これもいいですね、裏側までちゃんと作られているところがすごいすきです。
あ、それね、すきすぎて裏側まで作ったんだけどつけてみたら全然見えないっていう(笑)。
‐いや、でもこういうところですよ。
人は結構こういう細かいところにやられて「好き!」「欲しい!」ってなるんですよね。
それ日本で一番人が死んでる毒きのこなんです。
‐え?シイタケかと思った…。
ツキヨタケっていうんですけど、シイタケと間違えて食べちゃう人多いらしいです。
‐こっちシイタケ。こっちツキヨタケ。
…これは間違えて食べちゃいますね。
昼間見ると茶色いんで全然わかんないんですよね。
畜光性があって名前のとおり、夜になると光るのでわかるんですけど。
なので、注意喚起みたいな意味合いもこめて作ってます。
‐ためになるジュエリーですね。
かなりお詳しいですけど、きのこ狩り行くんですか?
きのこ…狩りますね。
でも危険なので、わからないものは採らないですけど。
もともと前職は全然違うインテリア関係の仕事をしていて、旦那と同業、というか大学がそっち関係で同級生だったので、そのまま同じところで働いてたんですけど。
そしたらなんていうんですかね、そこの会社が、みんなそこで成長して独立していくという風土で。
私はなにをしようかな、と考えたときに、今後子どもを生んだりっていうことを踏まえて、インテリアはすきなんですけど、どうしても力仕事でできないこともあったりするし、でもジュエリーなら小さいスペースで引っ越してもできるな、というのがきっかけでした。
もともとジュエリー自体もすきで、大学時代のサークルも彫金部にいたんですよ。
そうですね、まぁきのこをモチーフにしている作家さんってほかにもたまにいるんですけど、ここまできのこの種類が多いのは珍しいと思いますね。
あとは、いろんな使い方ができるデザインとか、せっかくなのでちょっと普通とは違うものを作ろうとは思っています。
‐たとえばどういうものですか?
そうですね…最近のものだと指輪がネックレスになるものとか。
‐これはすごい!てっきりリングがネックレスになるって、チェーンを通すだけかな、と思ったらアイデア商品ですね。
だいたいこういうの思いついたときはお客さんに自慢してますね、「天才でしょ」って(笑)。
(※「ねこのここがすき!」というピンポイントなこだわりのこと)
胸毛が好きですね。
‐あっすごいわかる!
ねこのここってすっごい柔らかいんですよね!
そう、もうふわふわで!
私、ねこのなにがすきってふわふわなのがすきなんですよ。
なので固い毛並みの子よりふわふわの子がすきで、胸毛はもうほんとすきですね。
脇毛も柔らかいんですけど、ここ(胸毛)はもんわり感がやばいですね。
もう胸毛だいすきなんです。
肉球もかわいいですけど、ぜひ胸毛おすすめしたいです。
あー…一番はどこだろうなぁ…でもそれこそ胸毛とかかなりいい感じの位置に食い込んできますね。
そう、触るのは胸毛がいいんですよね。
あと見るのは「鼻ピンク」がかわいくてすきですね。
‐鼻ピンクかわいい。
血色よさそうな感じで。
うち黒猫なんで、肉球も鼻も全然ピンクじゃないんですよね。
なので、うちで楽しむなら胸毛なんですよね。
外でほかの子見たときに「うちの子にはない鼻ピンク!」と思います(笑)。
‐鼻ピンクはやっぱり白っぽい子の特徴ですもんね。
私は白っぽい子だと耳が透けてピンクなのとかもすきですね。
いいですね。
しかも耳の後ろも柔らかいんですよね、毛が。
あーいいですね、ちょっとこれ尽きないですね。
いや、そうなんですよ。
ねこはね、基本的に尽きないですね、話が。
犬もすきなんですけどね。
今ねこと一緒に寝てるんですけど、朝とか足元にいたりしてずっとふわふわさせてますね。
足の上に顎とかのっけてきたりして。
たまらんやつですね。
(この会話中LINEが鳴り響く)なんかめっちゃ鳴ってますけど大丈夫ですか?
いや、全然大丈夫です(笑)。
旦那から「味噌汁うまい」とかめっちゃLINEが来てました(笑)。
‐めっちゃ仲いいですね!
前々からその繊細さとシュールな印象をあわせもったデザインに興味を抱いて拝見していたブランド、m.m.m。
その不思議なモチーフの選び方や細かい部分にまでこだわった作り込み方の原点は「自身がすきなもの」というところでした。
現在、アトリエと家を行き来する生活。
狎れ合うわけではなく、ひとつひとつアイデアを生みだしてはそれを具現化する場所とはいえ、アトリエではご主人や友人と同じスペースで、家に帰るとふわふわした胸毛の愛猫たちが待っていてくれるという「すき」に囲まれた日々の中で、変化も丁寧に受け入れていくという覚悟。
すきなことであっても、継続するにはエネルギーが必要です。
その上、新しいものを発信していく立場であれば、ただ続けるだけでは成立しないでしょう。
慣れ親しんだ環境に身をおきながらも新しいドアを切り拓いていくというクリエイターとしての覚悟を
感じた取材でした。
すっかり影響されて、「これやりたかったんだよな」「これは前にちょっとだけやったけど結局続かなかったなぁ」なんて、趣味範囲のことから仕事につなげようとしていたいろいろな過去のことを思い返しながら、またなにか新しいことを始めたいなと思う筆者なのでした。
取材協力:m.m.m
ブランドInstagram:@m.m.mjewelry
記事サムネイル人物:真柳茉莉華さん/撮影:山本諒氏(Facebook・Instagram)
取材写真(記事内キャプションに出典元の記載のない写真):山本諒氏撮影
取材・文:29cutecat記者MU
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