編集・校正の老舗企業であふれる猫愛に触れる!-株式会社ぷれすのみなさま<前篇>

編集・校正の老舗企業であふれる猫愛に触れる!-株式会社ぷれすのみなさま<前篇>

毎月29cutecat(にくきゅうとキャット)の日=29日にインタビューを行っている当サイトですが、先月は記者(私)の体調不良につき、更新することができませんでした。すみません…。

今月は「株式会社ぷれす」の奥村侑生市(ゆういち)代表取締役社長、武田晶(あき)さん(“mini”名義でねこのお写真を撮られています)、内田桂子さん(ねこ関連編集担当)の3名にお話を伺ってきました!

株式会社ぷれすといえば、1979年から続いている老舗企業。
その主たる事業内容は、編集・校正プロダクションです。

…が、なんと、同時にねこコンテンツを運営し、電子書籍で野良猫写真集を発行しているのです!

ねこ好きが集まって始まったサービス
ねこのパネル

取材に訪れた社内には、ねこちゃんの写真パネルがあちこちに飾られていました。

-個人的には以前出版社に勤めていたこともあって、御社については存じ上げていたんですが、ねこコンテンツを立ち上げていたというのは意外でした。
どのようなきっかけで始められたんですか?


奥村社長:当初は、これを商売にしようとかっていうことはまったく考えていなくて、武田がねこがすきで、私もすきなんですけど、あと創業者の会長もねこがすきで、まぁねこ好きの多い会社なんですね。
…というのがまずあって、それで(武田さんが)ねこの写真を撮りだめていると。



武田さん:たまたまプライベートで撮っていた写真があって、自分の壁紙のスクリーンセーバーとかにしていたんですね。
そしたらある日社長がそれをじーっと見ていて…。
「これなんの写真?」って聞かれたので「撮ったやつです」ってお答えしたら、「これちょうだい」って…(笑)。



-社長、かわいらしい方ですね(笑)。

奥村社長:最初はこの写真を活かす方法がないかな、と、これをだれかに見てほしいな、ということで、当時…2011年なんですけど、東日本大震災の後、SNSとか個人がなにかを発信するというのが広まっていた時期だったんですね。
いきなり出版というわけにもいかないし、その時代の流れの中で、とりあえず自分たちのブログを作って、そこで上げていこうよ、ということで…。



武田さん:業務と関係ないページが会社のHPの中に欲しいんだよね、ということで…。



-なるほど、じゃあ元々そういった構想がある中で、コンテンツにできるなにかを探していたんですか?

奥村社長:うちのHPを見ていても、編集の話、校正の話ばかりでつまんないなぁと思って(笑)。
なんかこう、見ていておもしろいページがあるといいよねって…。
それで、最初は会社のHP内に作ろうと思ってたんだけど、サイトを作っている会社さんとも相談して、ブログ形式のものなら、(既存のHPの)中に足すよりも別で立ち上げようか、ということになったんです。
あと、写真だけを載せるんじゃなくて、相田みつをみたいに言葉も添えたら、ねこがしゃべってるみたいでおもしろいんじゃないかっていうのをうちの編集部の方で話して…。



武田さん:当時社長が書に凝ってらしたというのもあって、最初は「よつを」って名前がいいんじゃないかって話したりして…(笑)。



奥村社長:(笑)。「今日のねこ」だとそのまんまだし、なにか名前つけようかっていうことでいろいろ…、「たかし」がいいか「よつを」がいいか…、それで「さとる」がいいんじゃないかってことで、「今日のさとる。(仮)」。
だれの名前でもないんですけど。


(※後述しますが、現在は違うページで更新されているので、こちらのリンク先では過去の記事しかご覧になれません)
「今日のさとる。(仮)」

タブレットで旧ブログ「今日のさとる。(仮)」を見せてもらうの図。

-なんで「さとる」なのかなぁって思ってたんですよね(笑)。

奥村社長:よく聞かれるんですよ、「さとるってだれですか?」って。



武田さん:Twitterでも「さとるさんですか?」って聞かれたりしますね(笑)。

毎月、電子書籍を発行!
膨大な資料!

電子書籍用にお写真をまとめた大量のファイルを見ながら取材させてもらいました。
3人並ばれている左から武田(mini)さん、奥村社長、内田さんです。

-ねこちゃんがかわいいだけじゃなく、語りすぎない文章もいいですよね。
「だれが」とか「だれに」というのをにおわせるというか。


奥村社長:2011年という時代もあって、世の中に元気を出してもらいたいというか、励みになるような言葉というのがいいかなぁ、ということで。



-なるほど。スマホも一般化して、ネットコンテンツがかなり大きな存在感を示していたころですもんね。

武田さん:そうですね。それで毎日上げていきましょう、ということで一年くらいやって…。



奥村社長:それから、ブログサービスってもしかしたらいつかなくなってしまうかもしれないっていうのもあり、あと、掲載した写真の著作権がうちのものにならないかもしれないということで、自分たちのドメインを取って、「今日、猫に会えたら」というタイトルでリニューアルしました。



武田さん:当初はタイトルも引き継いでやっていたんですけど、今はタイトルを変えて、書も終了し…(笑)。



奥村社長:書はちょっともう、出尽くした感があったので(笑)。



-最近のは書がないなぁと思ってました(笑)。

武田さん:今は書の代わりに私が、…まぁあんまり綺麗事みたいなのを言っても気持ち悪いなぁと思うので、読んでも読まなくてもいいような文を書いてます(笑)。



-わかります、その感じ。
自然体の飾らない表現がいいなぁと思ってました。
笑顔の3人

社長の書も武田さんのコメントもそれぞれ違う味わいがあります。

武田さん:Twitterと同じノリで書いてますね。
それで進めていく中で、「電子書籍を出してみませんか」というお話をいただいて、一年間…、ひと月に一冊出すようになって。



内田さん:電子書籍の方では書のページと、今のようなコメントのページも両方あって…。

電子書籍表紙

こちらが集大成のような、現在最新刊の『今日のさとる。(仮) ~振り返れば猫がいる~ vol.12』表紙。

→詳細はこちら(「今日、猫に会えたら」ブログに飛びます)をご確認ください。

奥村社長:そしたら別件で「海外向けにも出してみたら?」という話になって。



武田さん:「あの出版」さんというところで出させていただいて。
載っている写真は『今日のさとる。(仮)』と同じものもあったりするんですけど、英訳を載せてまして。



内田さん:アジアとかで、日本のねこが人気らしい、という話で。…ね?



武田さん:そうそう、マレーシアとか、電子書籍を利用している人も多いみたいで、それじゃあいいんじゃなかろうかということで…、Amazon(kindle)とかkoboとか、4,5か所で買えるようにしたんです。
あとは海外向けなので、常に書と写真、書と写真という構成で。

『日本ののら猫』

こちらがそのときに出版された『日本ののら猫〜Stray Cats in JAPAN〜』。

→詳細はこちら(あの出版公式サイトに飛びます)
「野良猫を撮る」というこだわり
大量のファイル

電子書籍に掲載したお写真をまとめたたくさんのファイルと、それをほっこり見つめる武田さん。

内田さん:電子書籍は月々のことだったので、季節感とかも考えたりして…。
8月はお盆でお墓の写真だったりとか。
あと、どのときも武田さんのコンセプトとして「かわいいかわいい」だけじゃなく…っていうのがあって。



奥村社長:野良猫を写してるってのが、うちの特徴でもあるので…。



内田さん:ちょっと目が…こう…なっちゃってる子の写真とかもあったりして。



武田さん:そうですね、目やにがついている子とかも自然体を撮りますね。
あんまり見ていてかわいそう…って思っちゃう子は角度とか気をつけたりしますけど、なので、よくスタジオ撮影とかしているようなねこちゃんは「いいです」って…(笑)。



-なるほど、ちょっと目つきが悪かったりするねこちゃんも、それはそれでかわいいんですよね。
野良猫さんの鋭い眼光

鋭い眼光は、野良猫さんの魅力のひとつです。

奥村社長:うん、それが野良猫とか外猫の特徴だったりするから…。



武田さん:外での生活は厳しいっていうのが顔を見ていてわかるというか…。
また不思議なことに、家に連れて帰るとすっごい目が変わるんですよ。
くりっくりになるんです。



-えー!ということは、今飼われてるねこちゃんも…?
(※武田さんは野良猫を撮影するだけでなく、2匹保護して飼われています)

武田さん:もう前に外にいたときとは全然違う顔してますね。
完全に家猫の顔になってます。



-おもしろい、今はすっかり安心できてるってことですね。
でも同じねこちゃんがそれだけ表情をたくさん持っていると知っているからこそ、月刊誌になっても飽きのこないお写真が撮れるんでしょうね。


武田さん:そうですね、電子書籍は毎月のことなので、肉球特集とか顔アップ特集とか、いろいろ特集も作ったりして工夫してましたね。



-なるほど。…あーかわいいなー…。ずっと見てられますね。
しかもちょっとこう、見ながらつい笑ってしまうというか…。
ファイル閲覧中

ファイルを見ながらにやつくサイト管理人。

プロダクションEXPOでの見せ方
プロダクションEXPOブース

昨年2015年のプロダクションEXPO出展ブースの様子。

奥村社長:うち、「プロダクションEXPO」に出展しているんですけど、そのときにこういうの作ったりして…。

グッズ展開

ポストカード、豆本、書籍…、EXPOにも置いていたグッズだそうです。

-わ、なんですか、これ!ちっちゃい本!かわいい…。

武田さん:これ、片面はこうメモにしてもいいし…っていうので作ってみて、こういうのをグッズ販売してもいいんじゃないかって話もしてるんです。

豆本

豆本の中身は、公開しているねこちゃんのお写真やコメントがそのまま凝縮されたハイクオリティーな仕上がり。

(現在、「小さな本屋さん」というショップで、デザインを新たに販売されているようです!
さらに、その出店記念としてプロダクションEXPOでも販売予定とのこと!)

今日のさとる

価格:432円
(2016/6/28 21:46時点)

にくだま

価格:432円
(2016/6/28 21:49時点)

奥村社長:今年もそのEXPOには出展するんですけど、こういうのを出すとやっぱり見てくれる人が増えるんですよ。
「編集」とか「校正」とかっていうのだけじゃなくて、ねこの写真を貼ったりすると、足を止めてくれるというか。



-これはたしかに食いついちゃいますね…。
ポストカードを見る方

これはほっこりする風景。
この方が手にしているお顔ドアップのねこちゃんについては後述します。
(昨年のEXPO出展時風景)

武田さん:社内にあるねこちゃん(パネル)とかは、全部そのときのですね。



奥村社長:今年は6月の30…?



?:29日からです。


(2016年6月29日(水)~7月1日(金)の3日間、10:00~18:00まで開催です。
→詳細はこちら(プロダクションEXPO公式サイトに飛びます)


-あ、どこかから声が(笑)。

奥村社長:担当してくれてる子の声ですね(笑)。



武田さん:(笑)、パネルも今の「天の声」の彼女が切ったりしてくれて。
こういうポストカードとか、今年もねこの展示がある予定なので、もしよかったら…。



-やったー!ありがとうございます。
もう…、これ(※先ほどのお写真に載っていた茶トラ白の子)とかめちゃめちゃアップのお写真じゃないですか…。


武田さん:あ、その子は全然近寄っても大丈夫な子なんですよ。



奥村社長:もう結構な年だったよね。



武田さん:そう、もうおばあちゃんで…、もう死んじゃったんですけど…。
このときは16歳…とかでしたね。



-そうなんですね…、でも野良猫で16歳って結構ご長寿ですよね。

武田さん:あ、この子も地域猫なんですよ。
餌をあげてるおばあちゃんがいて、昔は隣に住んでた飲み屋さんで飼われてたんですけど、引っ越すときに「よろしくね」って置いていったみたいで。
それでずっとかわいがってましたね。



-かわいがられてたならよかったです…。
自由もあってでも食と寝床が確保されてるって、きっとねこにとってはかなり嬉しい環境ですもんね。
こっちの子も地域猫ですか?飼い猫みたいにくりくりの目ですね。

(※先ほどご紹介した『日本ののら猫』の表紙にも使われているお写真の子です)

武田さん:そうなんですよね。ホームレスのおじちゃんたちが「マーガリン」って呼んでました。

マーガリン

マーガリンちゃん(ポストカード)を見ながら一同笑顔!

-マーガリン(笑)!
それはまたチャーミングな名前ですね。


内田さん:もう武田さんは長年ねこを追っているので、その子がどうなったかとかやっぱり詳しく知ってるんですよ。



-そういうの素敵です!
Twitterを始めたきっかけは電子書籍の告知だったはずが…
-ポストカードの切手部分もかわいいですね。
ポストカード裏面

ポストカードの切手部分にも注目!

武田さん:あ、それは私が前に描いたイラストを…。



-え、イラストも描けるんですね!

武田さん:とんでもない。たまたまです。
うちの猫2匹をホワイトボードに描いたらちょっとかわいくできたので、写真に撮ってそれをトレースしたんです。



-ということは年の違う2匹を引き取られたんですね。

武田さん:そうです、そうです。2006年と2011年と。



-名前はなんですか?

武田さん:名前言うのはずかしいですね(笑)。
大きい方は仁太(じんた)といいます。ちっちゃい方は「彩る女」と書いて彩女(あやめ)さん(笑)。



内田さん:Twitterの方でも上がってますよ。

(過去Tweetから仁太くんのお写真を発見しました!)

武田さん:元々Twitterを始めたきっかけというのが、電子書籍を告知するためだったんですけど、宣伝しかないTwitterって嫌じゃないですか(笑)?
それで最近は一日に20~30枚ねこのお写真を上げてます。
実は私の仕事が、校正とか編集とか中の仕事じゃなくてデリバリーなんですよ、それで外によく出ていて、さらに元々ねこがすきで「ねこだまり」も知っているので、外出中に撮った写真を上げていけば、とりあえずねこをすきな人は見てくれるだろう、と(笑)。



-はい、まんまとひっかかりました(笑)。

武田さん:それで最近はただひたすらねこの写真を上げていくTwitterになりました(笑)。
宣伝どこ行った?みたいな(笑)。

Twitterスタメンの「#シマバラさん」
-私もちょこちょこ拝見しているんですけど、シマバラさんの懐き具合がかわいくてたまんないです。

武田さん:そうなんですよ。歩いてると呼びとめてくるんですよ、後追いかけてきて。



-えー!そんなかわいいエピソードあります(笑)!?

武田さん:あるんですよ(笑)。車の下とかから出てきて。



奥村社長:たぶんねこも人を見ていて、みんなに寄ってくるんじゃなくて、「この人なら大丈夫」っていうことで武田さんに寄ってくるから写真も撮れるんだと思うんですよね。
野良猫の撮影はたぶん、なかなかみんなができるものではないと思いますね、逃げちゃうし。

穏やかな3人の人となり

仰ることはかなり納得ですが、社長ご自身も、内田さんもみなさん温かいお人柄です。

武田さん:でも時間かかる子もいます。
シマバラさんも最初は全然触らせてくれなくて、とりあえず近づけるけど、手を出すと(手を振り払うジェスチャー)みたいな。
ガチで爪出してパーン!みたいな(笑)。



-意外…。今のお写真見ると、かなり懐いてますよね?

武田さん:ある日突然なんです。
毎日毎日嫌がられても気にせず手を出し続けてたんですけど、ほかのねこと遊んでたときに急に「すり…」って…。



-かわいい!かわいいなにそれ!

武田さん:ちょっと気づかれないようにお尻の方ですり寄ってきて。
「今なにした!?」みたいな(笑)。
そういうのが何回かあって、その内なでさせてくれるようになりました。



インタビュー/文:29cutecat管理人
取材写真:堀広明
プロダクションEXPO2015年出展時写真(サムネイル含む):株式会社ぷれす
一部引用画像:株式会社ぷれす公式ブログ「今日、猫に会えたら」株式会社エーピーコミュニケーションズあの出版公式サイト
取材先:株式会社ぷれす
関連サイト:今日、猫に会えたらTwitter(@kyonoSatoru)

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