今話題の猫写真家はおっとり青年でした‐『ぶさにゃん』カメラマン沖昌之さん<後篇>

今話題の猫写真家はおっとり青年でした‐『ぶさにゃん』カメラマン沖昌之さん<後篇>
職業は自称・ねこを撮る係
最近の各メディアで取り上げられているのも「怖い」と言う沖さん。
(ちなみにこのインタビュー翌日も香港のニュースサイトの取材を受けていました) 日本以外にも台湾などで話題になっているのに、まだ「実力がなく怖い」と思うのだそう。
「(SNSの)フォロワーが増えたという実感はあるけど、ねこがすごいだけ」と、とことん謙虚な姿勢です。
沖さん撮影のねこさんたち-ちなみに、以前インタビュー前にTwitterでやりとりさせていただいた際も「すごいのは僕じゃなくてねこさんですよ」と返されたことがあったのですが、沖さんにとってのねことは、どんな存在ですか?

うーん、どうなんだろうな。
でも撮ってるときもねこの仕草すべてに癒されていて、ずっと楽しいんですよね。
「結構待たれてるんじゃないですか?」とか質問を受けるのですが、じっと動かないのを見てる時間も幸せなんですよね。

適度な距離を保っている2匹のねこがいたときとか、両方のねこを撮りたかったら(僕を入れて)ねこと三角形になる位置でカメラを構えるのですが、「僕もねこ集会の一員になってない!?」って一人で勝手に悦に浸ってます(笑)

(ここで窓からちょうどノラ猫ちゃんが通るのが見えました)

あ、いますよね。
撮って楽しいし、みんなにも撮った写真を楽しんでもらえて楽しいし、ねこ…がモデルというか。
ねこがいてくれないと僕はなにもできないし。
で、想像もしていない動きや表情を突然見せてくれるので。
僕がしてくれって頼んでもしてくれるわけじゃないじゃないですか。
だからそう思うと、どっちが偉いんだろうって考えると、ねこだよね!って…思うんですよね(笑)。

僕はもう、撮る係ということで(笑) ねこがいてくれて、僕はシャッターを押すだけ。
機嫌良くてありがとうって思いますし。
1分・2分違うだけで会えたり会えなかったりってあるじゃないですか。
だから、ここにこの時間にいてくれてありがとうございます!って思います。

昨日も神社に行って、全然会えなくて、でも、ねこをいつも撮影させてくださってありがとうございますって気持ちで参拝して「じゃ帰ろう。
いなかったー」とか思いながら後ろをぱって振り返ったらいるんですよ。
「あ!いる!!!」って。

ねこキス
この写真はそのとき撮影されたものではないですが、振り返ったときにこんなことされていたら萌えたぎります。

「じゃあ、まだ(ほかにも)いるのかな」と思って、さっきはいなかった場所に戻ったら、機嫌よく日光浴しながら毛づくろいしていて、ほんの少しの時間の違いでそこにいてくれるから、それって僕にはどうしようもできない世界だと思うので、本当に出会えたときはありがたいなって思います。

-でもねこのこんな顔見たことないですし、これを引き出せるのは一つの力だと思いますけどね。
ぶさにゃん表紙
写真集『ぶさにゃん』の表紙にもなっているナイスショット。

ちなみに右側のサインは、ちゃっかりインタビュー時に書いていただきました笑。

あの、この写真、実は笑顔でなくてあくびが終わる瞬間の表情なんですよ。
口を閉じる前もみんな表情が違うので。
特にこの子はめっちゃいい笑顔くれたので、撮れたときすっごいうれしかったです。
たしか、去年Instagramで一番いいねがついたのがこれだったんです。

-こういう写真が撮れるのってやっぱり、沖さん自身の人となりというか、ねこちゃんに安心させられる、信頼させるなにかがあるのかなって思います。

害はないって思ってるんでしょうね、たぶん。
「ねこの気持ちがわかってないですよね」とよく言われます(笑)。
Instagramで登場するdecora(デコラ)ってお店のほねちゃんってお店の看板ねこがいまして。

ほねちゃん
この子がほねちゃん。
(沖さん撮影)

すごくかわいいんですよ。
なので、トラウマのこととか忘れてしまうくらいかわいくて、ありったけ気持ちをぶつけるんですけど(笑)、店主が「沖さんはねこの気持ちがわかってないですよ」って。
現に、「いか耳」(ねこが怒ったときの耳の形をジェスチャー)になっています。

でも(さっきのような写真が)撮れてるのは、撮るときは絶対そういうことしないから、距離感を意識して、近づいてきたら自分が移動して距離をとってます。
なでるときは嫌われない程度になでてます。
でないと…

-またひっかかれちゃうし(笑)。

そうそう。
トラウマがよぎるから、これくらいでいいのかなーって気をつかってます。
だからどっちかっていうと、まぁ…「こいつは害ないね」くらいの感じだから、そばにいても、「普段どおりにしててもやられはしないな、むしろやれるかな」くらいのポジションで、ねこは僕のことを思っているんじゃないかなって思ってます(笑)。

-でもノラ猫って気性荒い子もいません?

うーん、(撮っている下町では)地域猫もいたりするから、たまに喧嘩してる子もいますけど、そんな気性荒い子はいないと思います。
でも、たまに喧嘩してるところ割り込んで入ったら、どちらかに嫌われます。
前まですっごい仲良かったのに、(喧嘩を仲裁したせいで)次に会ったときはガン無視みたいな。
「あー、あの瞬間から嫌われたんだなー」ってことはありますね。

-そういう子が実際にいるんですね今。

いますね、2,3匹。
仲いい子とかが(喧嘩を)始めると、「いや、やめとこうよ」とか思って割り込むと、どっちかの肩持ったと思われてしまって片方にすっごい嫌われます。

前までおなかを見せてくれるまで親密になっていたのに、喧嘩の仲裁をきっかけに、なでようとしたら全力で逃げられてます。
でしゃばりすぎたーって悲しい気持ちになることも。


仲直りできない
この子がその、仲直りがまだできていない子だそう。

このときはばっちりお腹見せてくれていますね。
-難しいですね。
じゃあ喧嘩してても止めない方がいいんですかね?

難しい…。
うーん、まぁヨリが戻ること前提なら止めたいですよね。

-「ヨリが戻る」(笑)。
なんかねこの話してるんじゃないような気がしてきました(笑)。

(笑)気持ち悪いでしょ。
「どういうこと?」ってね(笑)。

-いや、言い回しがかわいくていいなぁと思います。
でもじゃあ喧嘩してるの見つけても止めないようにします。

うーん、それか、腹をくくって片方の肩をがっつり持つ(笑)!

-いやー、それは…できないですね…。

できないよね。
両方仲いい関係ある子とかだともう…。
(一同笑い) ちょっとー、もうなに、なんの話してるかわからん(笑)

-今一瞬「あれ?ねこの話だよね?」ってわからなくなりました(笑)。

「もうなにこの人、恋愛相談してるんじゃ?」みたいなね(笑)。
「ハッキリしなさいよ」って怒られるパターンですね(笑)。

やっぱり「ぶさにゃん」がすき!
とても気さくで話しやすい沖さん。
気づいたら既に1時間近くおしゃべりをしていて(むしろインタビュー終えた後もなんだかんだしゃべってしまいました)記事も超大作が仕上がってきたので、最後に恒例の質問をさせていただきました。
-当サイトの「29cutecat(ニクキュートキャット)」は、「肉球」と「キュートなキャット」を合わせた言葉なんですが、この肉球というのは、ほんとの肉球というより、ねこのピンポイントにかわいいと思える部分を指しています。
ずばり、沖さんにとって、「ねこのここが一番すき!」というのはなんですか?

…ちょっと待って…。
全部が好きなのでここと言われると…。

ここでしばし、お話上手な沖さんとの会話で初めて生じる沈黙が…。

…気持ちの赴くままに表情や態度に出すところですかね。
怒ってるときも喜んでいるときも全力なので、綺麗なお顔立ちなのにそんなに表情崩してるんだーって思うことがあったり、喧嘩をするときも生き物を追いかけるときも全力なので、そんな姿勢で必死にならなくても!って思わず笑みがこぼれるくらいぶさにゃんなときがあるんですよ。

-そういうシーンを撮りだめた結果、『ぶさにゃん』の制作につながったってことですね。
ねこを先輩と呼ぶカメラマン

沖さんを知ったのはTwitterがきっかけ。
いつも愛をもって様々なノラ猫ちゃんの写真をUPされていて、また、やりとりさせていただく中で、物腰やわらかな方だと知ることができたので安心して今回のインタビューの依頼を申し込むことができたのですが、実際にお会いしてみて、ますますその優しい話しぶりや猫愛に共感することができました。

ちなみにその猫愛が強すぎて双方に話が止まらず、二人ともこじらせていることが判明しました。
というのも、ねこがすきで、ねこ写真集を作ったり、私もこうしてねこサイトを更新しているのに、どちらも毎日愛ですぎてダメ人間になりそうだから飼ったことがないという不思議な距離感。

ただ、私がもしこれから猫写真家を目指しても、アイドルを相手にするファンのような気分で緊張して、絶対に上手く撮れないのに対し、沖さんはご自身が仰っているよりも遙かにねこと共存していて、偶像ではなくきちんとねこそのものを捉えており、また、その独特のやわらかい空気感で、相手のねこに時に油断させる力を持っているのがプロだなと思いました。

かわいいあくび姿

余談ではありますが、お話の中で、ねこにもあくびはうつるのかどうかという議論に転じ 沖さんは「うつるのを見たことがない」と仰っていたのですが、飼い主があくびをしたらそれが子猫に順番にうつっていく動画もあるから、きっと沖さんもいずれ「ねこを撮る係」から「ねこにあくびをうつす係」になれるはず!ということで、期待という名の無理なリクエストを押しつけましたので、もしかしたら今後ねこにあくびがうつる様子を写真で拝める日もあるかもしれません。

これが飼い主のあくびが次々ねこちゃんにうつっていく動画。
『ぶさにゃん2』で見られる日が楽しみですね!(ただの管理人の願いです)

---今回お話を伺った人---
沖昌之さん

猫写真家、沖昌之さん。
2015年12月17日より写真集『ぶさにゃん』好評販売中。

ぶさにゃん [ 沖昌之 ]

価格:1,296円
(2015/12/28 19:54時点)
感想(4件)

ねこの素の表情が楽しめるお写真はもちろん、猫愛あふれるほんわかタッチの文章も素敵な内容です。
今後の展開としては、もしかしたら2016年2月22日(月)にゃんにゃんにゃんの日近辺で、湘南蔦屋書店にてなにかイベントがあるかも?という情報をTwitterでキャッチしました! どうなるかまだわかりませんが、吉報を待ちましょう。

(インタビューの際に毎回なにかしら忘れる(初回はレコーダーを持っていくのを忘れ、2回目は会場に選んだねこカフェで満喫しすぎて取材するのを忘れ、今回の3回目はご本人のお写真を撮るのを忘れるという…)結果、ご本人の承諾を得て、Instagramのプロフィール画像を使わせていただきました)

インタビュー:29cutecat管理人 写真:サムネイルほか沖さんご提供、一部西田タニシ氏&29cutecat管理人撮影、そのほか沖さんのブログ野良ねこちゃんねる。
猫写真家・沖 昌之のブログ
、沖さんのInstagramokirakuokiより拝借

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